差別表現について

私が子供の頃、映画やテレビでインディアンのリーダーの事を「酋長」
(しゅうちょう)と呼んでいました。
特に差別的な意図はなく使われていたと思っていたのですが、今では
差別用語になっていると聞いて驚いています。


『木山捷平 全詩集』
  著者: 木山捷平

この本は、雑誌、BRUTUS(No,948 特集・村上春樹)の中で、村上春樹さんが
”私的読書案内”という記事で紹介していました。

中でも「メクラとチンバ」という詩が素敵だと書いていて、さっそく買って
読んでみたら本当に素敵でした。

詩集全体には、『貧乏』とか『現実の厳しさ』とかが漂った感じのする
詩集でしたが、その中でも「メクラとチンバ」は、苦労が報われる
感じのする詩でした。

ネットでは、「メクラとチンバ」という作品は、タイトルが差別表現だと
作品を非難する声がいくつかありました。
しかし私は、この詩から差別的な印象はうけませんでした。

文学でもマンガなどでも、古い作品の中では現在では差別的な表現とされる言葉が
ふくまれていることが多いですが、執筆当時は、差別的な意図で使っていなかった
作品も多いと思います。
私は差別用語そのものよりも、その言葉を使うひとの意識が問題だと思うのですが、
使う人の考えていることを正確に知るのは、難しいので差別用語とされるものは
使うべきではないと思っています。

しかし古い作品は、あきらかな差別的な意図が感じられない場合には、作品を尊重
するべきではと考えています。

子供が大きくなってこの詩集を読んだときに、楽しんでくれるかどうか、自信はありませんが「メクラとチンバ」を ”素敵な詩だ” と思ってくれたら少しうれしいです。


#木山捷平 #詩集 #差別

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