何もなさそうで、何かありそうな映画

『バートン・フィンク』 
 監督 ジョエル・コーエン
 制作 イーサン・コーエン
 出演 ジョン・タトゥーロ
 本編 117分

コーエン兄弟による1991年制作の異色のサスペンス映画。

あらすじ
主人公の作家(バートン・フィンク)は、ブロードウェイで
高い評価を受けて、ハリウッドの大手映画プロダクションから
専属契約のオファーを受ける。そしてハリウッドを訪れ、
滞在先のホテルで映画の脚本の執筆に取りかかるが、・・・。


この作品はカンヌ国際映画祭で、史上初の主要部門三冠
(パルム・ドール、監督賞、男優賞)を獲得しました。
それまで、カンヌ国際映画祭では1つの作品に複数の賞をあたえない
伝統がありましたが、この作品以降その規定が正式に明文化さました。

公開後、多くの批評家から絶賛されました。


私が個人的に好きなシーンは、作品前半のハリウッドの”ホテル・アール”
での受付のシーンです。
このシーンの中の、”呼び鈴”の音で、いっきにこの映画の世界に引き込まれました。

観ているうちにユング心理学の「共時性」が頭にうかびました。共時性とは、
「偶然の一致と思える出来事でも、当事者には意味あるものに思えること。」です。

作品の1シーン、1シーンが意味のあることに思えるのですが、
具体的にむすびつかない。
何もなさそうなんだけど、何かありそうな、なんとも不思議な映画でした。

観終わった感想は、世界は外だけでなく、自分の内にも広がっている。
といった感じです。

観る人によってさまざまな解釈のできる映画です。まだ観てない方には
すごいオススメです。
できればヒマですることのない夜に、ひとりで静かに観て欲しい映画です。


#コーエン兄弟 #バートンフィンク #カンヌ国際映画祭 #共時性

タイトルとURLをコピーしました