ファットボーイ・スリム
32才の頃に、仕事の都合で沖縄から滋賀県へ引っ越しました。仕事は一時的なもので、また数年後には沖縄へ帰るので、荷物は最小限(カバンひとつ)での引っ越しでした。
とりあえず部屋の片付けも終わり、仕事も一段落ついたころ、何か音楽でも聞きたいと思ったので、近くのスーパー”西友”へ、ラジカセを買いに行きました。
電化製品のコーナーでラジカセを探し求めていると、近くのワゴンにミニコンポが置かれているのを発見。ビクターのミニコンポ “Arte EX50″が3台並べられていて、そばに、”セパレートタイプなので高音質。現品限り。”のPOPが貼られていました。アンプ・CDプレーヤー・スピーカーの3点セットで、価格は15000円。
とりあえずCDが聴ければいいし、高音質だし、現品限りだし、15000円でラジカセとたいして価格も変わらないし、とういうことで10分迷って買い。
さっそく家に帰ってコンポをセットし、沖縄から持参していた”坂本龍一”のアルバムをかけました。するとあまりの高音質にびっくり、ここ数年で一番のいい買い物になりました。(のちに、会社の同僚が持っていた、有名メーカーの18万円相当のシステムコンポと聴き比べたのですが、遜色はなかったです。)
せっかくいいコンポを手に入れたので、いろいろな曲を聞きたいと思い、次は近くのCDショップへ。
さて何を聴くか? できれば重低音でも。重低音といえば”ハウス・ミュージック”。ということで”ハウス・ミュージック”のコーナーへ。
向かった”ハウス”のコーナーで目にとまったのが、”ファットボーイ・スリム”。そのふざけた感じの名前や、貼られた’称賛の嵐’のPOP、そして当時の私は”CDは迷ったら買い”をポリシーにしていたので、まだ聴いたことのない”ファットボーイ・スリム”のアルバムを迷いながら買いました。
またまた家へ帰って買ったアルバムを聴いてみると、本日2度目のびっくり。おもしろい。とにかく面白い。この日以来、私のCDラックに”ファットボーイ・スリム”のアルバムが増えていきます。
”ファットボーイ・スリム”はイギリスのクラブDJでミュージシャン。ジャンルは、”ビッグビート”や”ブレイクビーツ”とか言われています。いろいろな曲や音源の一部をサンプリング(抜き取り)し、それを再構築して新たな曲を制作していきます。(よくリミックスとか言われています。)
アルバムを聴いていると、音そのものが面白いと感じることが多いです。また、たぶん使っている音源に入っていると思うのですが、レコードの針が飛ぶ音とかもそのまま使われていて、それも音楽のひとつになっているような気がします。
できれば音質のいいハードウェアで聴いて欲しいです。イヤホンでもいいですね。
”ファットボーイ・スリム”の曲で日本人に一番知られているのは、たぶん”Because We Can”でしょう。M-1グランプリの出演者の入場曲です。
私のおすすめは、まず、2ndアルバム
『YOU’VE COME A LONG WAY, BABY』です。
代表曲の”Right Here Right Now”、” Praise You”などを収録。
” Praise You”の冒頭、ボーカルのロングトーン一発で、ファットボーイ・スリムのファンになりました。またレコードの針が飛ぶ音が入っているのもこの曲です。
次のおすすめは 、4thアルバム『Palookaville』
収録曲の”Jingo Lo Ba”は、カルロス・サンタナの”jingo”のリミックス曲。元歌と聴き比べるのも、おもしろいですよ。
最後に紹介するのは、初期の作品集”collection”
レゲエやファンクなどいろいろなジャンルの音楽のリミックス曲があります。
おすすめは、12曲目の”James Brown-Payback[The Final Mixdown]”。
私の目覚ましのアラーム音です。
ファットボーイ・スリムは、もう一つの顔’DJ’としてのMIXアルバムも多いです。(簡単にいうと、MIXは曲と曲をつなぐこと、Remixは曲を作り変えること。)MIXアルバムにもいいものが多くおすすめも多いので、また別の記事で紹介したいです。
音楽や本、映画などを楽しむために金を使うのは、基本的にいいことだと思っています。子供が将来、金使いの荒い人間になるのは嫌ですが、いろいろなことを楽しめる人間になってほしいです。