以前に載せた記事「音も楽しむ音楽」でも書いた事ですが、今から22年ほど前にたまたま購入した、ビクターのミニコンポ “Arte EX50″で、セパレートタイプのオーディオの音の良さに驚いて、しばらくはオーディオ雑誌ばかり読んでいた時期がありました。
その頃に知ったのがオーディオマニアの憧れ、長岡鉄男さんです。またそれに伴い、バックロードホーン・スピーカーや自作スピーカーなども知りました。
長岡鉄男(1926~2000)享年74歳
オーディオ評論家
忖度しない辛口の評論と高級オーディオだけでなくコスパ重視の廉価製品の評価などにより人気がありました。
多くの自作スピーカーを設計し(ウィキペディアによると600種類)特に代表作のバックロードホーン「スーパースワン」は人気があり、ネットでは、マニアによる多くの自作記事を見ることができます。またオーディオ製品だけでなく、多くの優秀録音のレコードを「名録音盤」として紹介した「新 長岡鉄男の外盤A級セレクション」などの著作もあります。
「初の自作スピーカー」
今から5年ほど前に車を買い替えました。買い替えた車は三菱のミニキャブで走行距離15万キロ以上の中古車で、通勤用として使っていました。機械系の仕事をしていた為、時には現場にも資機材を載せて行くこともあり、ボロの中古車の方がかえって気兼ねなく乗れて、愛用していました。
そんな愛用のミニキャブにもひとつ欠点が。その欠点とは、付属のオーディオがモノラルスピーカー、一体型のAMラジオチューナーだけで、ドアに付いている車載用のスピーカーなどもなく、かなり物足りなく感じていました。
とりあえずは、カーオーディオとスピーカーを取付けようと考えました。オーディオの方は、乗り換え前の車に付けていたカロッツェリア製のオーディオを使うから問題無かったのですが、スピーカーの方は、元々ドアの内張りにスピーカ取付け用の穴も開いていない車に、どう付けたらいいかと悩んでいました。
そんな時に、いつも観ていた「毎度おなじみ流浪の番組・タモリ倶楽部」で塩ビ管スピーカーの特集をやっているのを観て、コレだ!と思い、塩ビ管スピーカーを作ることにしました。
天板を押さえるフレームに吊り具を取付けて、それに塩ビ管スピーカーを吊るす方式でいこうと考え、まず吊り具が取付けられるか確認。特に問題なさそうなので、さっそくスピーカー作りにかかりました。
スピーカーユニットは、【Stereo編 ONTOMO MOOK「これならできる 特選スピーカーユニット フォステクス編」】を本屋で購入。
『これならできる特選スピーカーユニット フォステクス編 (ONTOMO MOOK) ムック 』
発売:2017年
出版社:音楽之友社
特別付録
フォステクス製
8cmフルレンジスピーカーユニット
(OMF800P)ー2台
スピーカー製作の詳しい知識も経験も無いのに、とりあえず作ってみようという事で、スピーカーユニットが取り付けられる大きさの塩ビ管を買ってきて車に入る大きさで製作しました。
自作マニアの方からすれば「そんなのスピーカーじゃねぇ」とお叱りを受けそうですが、自分が楽しめればいいやと思い、容量の計算や周波数測定、緻密な設計とか一切考えず作ってみました。
そして完成したのがコレ。
この塩ビ管スピーカーを、後部座席の頭上のフレームに付けた吊り具でぶら下げ、それだけではブラブラ揺れるので、車内に取り付けられるバーをスピーカーのそばに取付けて、そのバーに結んで安定させました。
正直いって、思ってた以上に音質もよくかなり満足で、周りの評判も上々でした。
しかしそんな塩ビ管スピーカーも、車の買い替えと共にお別れすることに。新しく買い替えたスズキのエブリィには、天板を押さえるフレームが隠れていて吊り具を取り付けることができず、塩ビ管スピーカーを取付けるのは諦めました。
「初のバックロードホーン」
新しい車では、当初ケンウッド製のスピーカーをドアに取付けていたのですが、せっかくのスピーカーユニット・OMF800Pが遊んでいるのがずっと気になっていたので、一念発起して、長岡鉄男さん設計の8cmスピーカーユニット用のバックロードホーン「スーパーフラミンゴ」制作することにしました。
今回はネットで設計図や板取図を手に入れ、きちんと寸法通りに制作しました。しかしズボラな私は、スピーカーターミナルは省いてしまいました。(これまたマニアの方からお叱りをうけそうですが。)
そして出来上がったスピーカーがコレ。
結果は、初めて聴くバックロードホーンの重低音に、只々驚くだけした。車内に置くために、スピーカーどうしの距離がとれないので、性能は十分に発揮していないと思うのですが、それでも大満足な音質にテンション上げ上げで車を運転しています。
ちなみに底板の前部分を20cm程伸ばし、折りたたみ式の後部座席の下に潜らせて転倒防止にしています。
出来上がった「スーパーフラミンゴ」を眺めていたら、一回り大きい10cmスピーカーユニット用のバックロードホーン「スーパースワン」をいつの日かきちんと作ってみたいと思いました。