あの戦争

私の誕生日は、8月15日です。
誕生日が終戦記念日で沖縄生まれもあって、自然と”戦争”(太平洋戦争)について
意識するようになりました。

私の小学生の頃は,慰霊の日(6月23日、沖縄戦での地上戦が終結した日)
が近づくと、よく戦争に関係したアニメ映画などの上映会が小学校でありました。

また、担任の先生から戦争についての話をよく聞かされました。
その内容は、天皇制が戦争を引き起こしたのであり、戦争の責任は天皇にある。
といった内容でした。

私が小学生だった当時の沖縄の教育関係者は、”左”寄りの方が多かった
と思います。(現在の状況については、正直わかりません。)
そのため天皇制批判の意見が多かったと思っています。

まだ理解力や判断力が未熟だった小学生の私は、その先生の話をそのまま受け取り、
戦争の原因は、天皇制というシステムにあると考えるようになりました。

しかし大人なるにつれ戦争について、いろいろ知るようになると、天皇制という
システム以外にも戦争の原因があると知るようになります。またそれまで持って
いた沖縄=被害者という意識も、いつまでも被害者意識だけでは、だめだと
思うようになりました。

今では戦争というものは、関わった人すべてを「被害者」にし、「加害者」
にもする、と思っています。

私は歴史や史実を理解する場合、まずは事実の積み重ねが大事じゃないかと思っています。
評価や思想、好き嫌いといった感情を交えず、まず事実を知る。
そして、事実を積み重ねたうえで、全体をながめ評価するべきだと思います。


私の亡き父は、昭和9年の生まれで、終戦の年は11才でした。戦争で兄と
妹を3人亡くしています。
父は、戦争の事は何も語りませんでした。

そんな父が、1990年の湾岸戦争の際に、戦争終結のニュースを見て、
笑顔でうれしそうに、「戦争終わったみたいよ」と私に話かけてきました。
その時に私は父が、”戦争体験者”だったんだなと、あらためて思いました。


私は戦争を体験していません。私をふくめ、これからの若い世代が
あの戦争(太平洋戦争)をどう認識しどう関わっていけばいいかと
考えることがあります。

最近読んだ本の中に参考になるものがありました。

『戦争の記憶』
キャロル・グラック 著

という新書です。

さまざまな国から集まった学生たちと、「対話」を重ねながら、
第2次世界対戦について考えていく内容です。

対話を通じて、過去について多く知識をえること、多様な見方を尊重すること、また
過去と未来に責任を持つことの必要性を、そして私達に変える責任があるのは、
過去ではなく未来だと説いています。


#戦争の記憶 #戦後世代 #戦争

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