映画「1917命をかけた伝令」を観たときに、改めてワンカット撮影の凄さを感じました。そこでこの記事では、これまで観てきた好きなワンカットシーンがある映画をまとめてみました。
『1917 命をかけた伝令』
監督:サム・メンデス
出演:ジョージ・マッケイ
ディーン=チャールズ・チャップマン
マーク・ストロング
上映時間:119分 公開:2020年
あらすじ
1917年、舞台は第一次世界大戦中のフランス。若きイギリス兵、スコフィールドとブレイクは、味方部隊へ敵ドイツ軍の罠を知らせるための伝令を司令官から託される。1600人の兵を助けるべく敵陣内へ進む二人だが・・・。
ワンカット撮影の代名詞とも言えるこの映画。実際には撮影技術や編集技術を駆使して、長時間の長回しに見せているのだそうです。
冒頭の兵士がえんえんと歩くシーンに、いきなり驚かされます。戦闘シーンや、多くの兵士が複雑に行き来する場面でも、ひたすらワンカット撮影。中盤の主人公が走りながら水中に飛び込む映像は圧巻です。
ワンカット撮影の限界を超えたと言われる本作品。本編を観た後に、メイキング映像を観るとさらに驚きます。本編のピントのずれやブレのない、きれいな映像からは考えられないくらいカメラマンが走り回っています。大きなな水たまりをカメラが飛び超えて行くメイキング映像を観て、ナルホドこうやって撮っているのかと感心しました。
本作品はアカデミー賞において、撮影賞、視覚効果賞、録音賞を獲得しています。
『バードマン
あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』
監督:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
出演:マイケル・キートン
ザック・ガリフィアナキス
エドワード・ノートン
上映時間:119分 公開:2015年
あらすじ
かつてスーパーヒーローの「バードマン」を演じ人気俳優であった主人公のリーガンは、今では落ち目になりつつあった。再起をかけてブロードウェイに進出する彼だが、次々とトラブルに見舞われることに・・・。
この作品も高度な編集技術を使い、長回しのワンカット撮影に見せている作品です。またカメラが上に下にと動きながら建物の中に入っていくカメラワークなどは、一体どうやって撮影したのかと想像も出来ないくらい凄い映像になっています。
主演は、かつて「バットマン」を演じたマイケル・キートン。本作品でゴールデングローブ賞主演男優賞を受賞、アカデミー賞主演男優賞にもノミネートされました。
また本作品はアカデミー賞の作品賞、監督賞、脚本賞、撮影賞の4冠を獲得しています。
『ボイリング・ポイント/沸騰』
監督:フィリップ・バランティーニ
ジェームズ・カミングズ
出演:スティーブン・グレアム
ヴィネット・ロビンソン
上映時間:95分 公開2022年
あらすじ
主人公のアンディーはロンドンにある高級レストランのオーナーシェフ。一年でもっとも賑わうクリスマス前の金曜日、店に出向いたアンディーを待っていたのは、衛生管理検査を行っていた衛生監視管であった。ここからアンディーの人生最悪の一日が始まる・・・。
数々のトラブルに巻き込まれる主人公とレストランの従業員達の沸騰寸前の一夜を、驚きの90分全編ワンカット撮影。正真正銘のノー編集、ノーCGで制作された映画です。
広いとは言えないレストランの中を縦横無尽に動き回るカメラワークや、どうやってタイミングを掴んでいるのかと思うほどの俳優の自然な入り方が凄い映画です。
『フィクサー』
監督:トニー・ギルロイ
出演:ジョージ・クルーニー
トム・ウィルキンソン
ティルダ・スウィントン
シドニー・ポラック
上映時間:120分 公開2008年
あらすじ
NYの大手弁護士事務所に務める、フィクサー(もみ消し屋)のマイケル・クレイトン。巨大農薬会社の集団訴訟問題に関わることになるが、やがてクレイトンは大きな陰謀に巻き込まれることに・・・。
映画のラストで2分程のワンカットシーンが流れます。
大企業との対決にケリをつけた主人公のクレイトンがタクシーに乗り込み、50ドル札を手渡しながら「50ドル分、適当に流してくれ」と言います。その後はただタクシーが街中を走る中、無言のクレイトンが映るだけのエンドクレジット画面に。
興奮していたクレイトンがだんだんと落ち着いて、これまでの色々な事を思い出したのか、あるいはこれから先の事を考えたのか、最後の方では少し笑みを浮かべるようにも見えます。
たった2分の短いシーンですが、主人公の気持ちの移り変わりがよく表れた、ジョージ・クルーニーの演技力が光るワンカットシーンだと思いました。
今まで観てきた映画の中で、一番好きなワンカットシーンかも知れません。
『カメラを止めるな!』
監督:上田慎一郎
出演:濱津隆之
真魚
しゅはまはるみ
上映時間:96分 公開:2018年
作品の性質上、事前情報なしで観た方がいい映画なので、あえてあらすじは載せません。
ハマる面白さのある映画です。
冒頭に37分間のワンカットシーンの映画が流れます。このワンカット映画が重要な意味を持ち、ストーリーが展開していきます。
内容がおもしろくて、ワンカット撮影のことを忘れるぐらいなのですが、エンド・クレジットのシーンでのメイキング映像を観ると、改めてワンカット撮影の大変さが分かります。