臨死体験

私は霊感のようなものはありません。幽霊を見たとか、神秘体験のようなことも一切ありません。霊的なものを信じるか?と問われたら、そういった体験があまりにも無さすぎて、肯定も否定もできまでん。少しでも体験あれば、「いや、あれは見間違いだ。」とか「たしかにいると思うよ。」とか言えますが、何も体験がないので何とも言えません。

私は、理解できない又は認識できないものに対して肯定も否定もしない、不可知論的な考えが好きです。


『臨死体験』
 著者: 立花 隆

臨死体験とは、病気や事故などで死にかかった人が体験する神秘的なものです。三途の川を見たり、死んだ親族にあったり、体外離脱(魂が肉体から抜け出す)をして天井から自分の肉体を眺めている。などの体験が報告されています。(よく聞くような、目の前に川があって、向こう岸に死んだじいさんが立っていて、「こっちにくるな。帰れ。」と言われ引き返したら、目がさめた。というような話です。)

臨死体験とは何なのか?。本書は、臨死体験について徹底的に調べあげた本です。
臨死体験は死後の世界の体験であるという肯定的な見方と、あくまで死にかけて機能が低下した脳の幻だとする否定的な見方の両方から、また、脳科学・心理学・宗教・超能力・オカルトなどいろいろな面から臨死体験の解明にせまります。

臨死体験は、科学の発展により脳の中でおきる幻覚という説が有力になっていますが、科学で説明がつかない不思議なことも多くあります。


本書には、いくつか不思議な話を紹介しています。

たとえば、「ユングとフロイト」と言われ、フロイトとともに精神医学を確立した心理学者のC,G,ユンの体験があります。
ユングは、心筋梗塞で危篤状態におちいります。そのさいに、体外離脱をして宇宙の高みにのぼり、”青い地球”を見下ろす体験をします。この時の体験を自伝に書き残すのですが、これの何が不思議なのか?
実は、ユングが自伝に体外離脱のことを書いたのは、1961年にソビエトのガガーリンが世界初の有人宇宙飛行に成功する前で、ガガーリンが宇宙へ行って「地球は青かった。」の名言を残すまで、誰も”地球が青い”とは知らなかったのです。

本書の中からおもしろい話をもう一つ。
アメリカ、ニューヨーク州ロチェスター市で除雪車運転手をしているトム・ソーヤー(本名)は、修理中の車の下敷きになり、意識不明の重体になります。そのさいにまばゆい光を見るなどの臨死体験をします。それからしばらくして、突然「量子、量子」とか「マックス・プランク」とかつぶやくようになり、さらに数学の記号や方程式が頭に浮かぶようになる。しかし本人には、聞いたことのないものばかりで何のことかさっぱりわかりません。(ちなみに、”マックス・プランク”は物理学者で、量子論の創始者)

こういう事が続くので、図書館へ行き「量子」について調べようと、量子論の本を手に取り、めくってみます。トム・ソーヤーは高卒で数学や物理学の基礎知識がないにもかかわらず、その本をどんどん理解していきます。その後、しばらくは図書館でアインシュタインなどの著作を読み漁り、ついには大学へ入学し、物理学や哲学、心理学などを学ぶようになった。

このように臨死体験には、不思議な話が多い。
また、臨死体験をして人生観が変り、生き方を変えた人も少なくないそうです。


私は本書を読んで、ノンフィクションの面白さを知りました。立花隆さんの著作はどれも、圧倒的な情報量で、偏見のない分析で書かれていると思います。そしていつも、どこか人間味がある著作が多いと思います。


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