2009年5月にNHKで深夜に放送され、好評のためレギュラー放送になった後、書籍化された番組「ディープピープル」。
毎回その道の一流のプロ3人が集まり、その3人だけでテーマについて語り合います。司会者、台本なしのトークはかなりディープでマニアックな内容でした。書籍では、「ディープピープル・青」と「赤」の2冊に分かれて発行されています。
3人のトークをモニタリングするのはタレントの関根勤さん。毎回ゲストの方と一緒に、別室でモニタリングをして、要所要所で補足情報を入れたり適切な解説を入れたりしていました。
たまたま初回の「ボクシング世界チャンピオン編」を観て、そのトーク内容の深さにすぐにハマってしまいました。
『ディープピープル 青』 NHK「ディープピープル」製作班(編)
ボクシング世界チャンピオン
長谷川穂積x畑山隆則x浜田剛史
柔道金メダリスト
野村忠宏x吉田秀彦x細川伸二
競泳・背泳ぎ
古賀淳也x鈴木大地x中村真衣
「ボクシング世界チャンピオン編」
元WBA世界スーパーフェザー級、ライト級チャンピオンの「畑山隆則」、元WBC世界スーパーライト級チャンピオンの「浜田剛史」、そして当時、現役最強と言われた元WBC世界バンダム級、フェザー級チャンピオンの「長谷川穂積」の3人が出演。
番組内で長谷川さんは、試合中、相手の呼吸を見ながら戦っていると語り、例えば相手が息を吸っている時にパンチを打てばよく当たると話していました。
6度目の防衛戦クリスチャン・ファッシオ戦では、1ラウンド目で相手の右ストレートを打つ呼吸がわかり、2ラウンド目でその右ストレートに合わせてカウンターを狙い見事にKO勝ち。「本当に当たって倒れるとは思っていなかったので、自分でも驚いた」と語っています。
この話を聞いていた畑山さんは「相手の呼吸なんてわかるの?」と驚きを隠さず、その凄さに感心していました。
また長谷川さんは、自分の体の動きで相手にパンチを打たせたりしているとし、経験上、7割ぐらいは相手のパンチをコントロール出来ると話しています。
他のエピソードでは、拳を痛めた場合、叩くのをやめて治るのを待つか、あえて叩いて鍛えるかなど、「拳の作り方」といったディープな話を展開しています。その会話の中で長谷川さんは叩いて鍛え、浜田さんは休めて使わなかったとそれぞれの練習の仕方を語っています。
ちなみに浜田剛史さんは、ハードパンチャーであったため、左指を4回骨折しています。(パンチ力がありすぎて、自分の骨が耐えられなかった。)
『ディープピープル 赤』 NHK「ディープピープル」製作班(編)
漫才師
増田英彦x中川剛x水道橋博士
予備校講師
竹岡広信x板野博行x大竹真一
宝塚トップスター
真琴つばさx春野寿美礼x安蘭けい
寿司職人
金坂真次x高橋青空x杉田孝明
「宝塚トップスター編」
面白かった話は、目の輝かせ方。
目の大きな安蘭さんはスポットライトをにらんでライトを目の中でキラキラ光らせたり、まばたきせずに目を潤ませ、その潤みにライトを当てピカピカさせていたと、そのテクニックを披露。
それに対し、目の小さな真琴さんは「白目の方が舞台で映える」と言われていたため、ライトから少しズレたところを見て、白目にライトが映るようにしたり、絶対に正面を見ないようにしていたと応えていました。
また安蘭さんは、一点を集中して客席を見ていたらファンから「全然2階を見てもらえない」と手紙をもらったので、試しにボヤーと見るようにしてみたそうです。すると「目が合った」とファンから反応があったと話してます。
他に面白かったのはメイクの話。男役のモミアゲを描く場合、渋いダンディーな役の場合は横書き、若い元気な役では縦書きに描くそうです。また男役の名残で、宝塚を卒業したあとも眉を太く描く人が多いそうです。