以前に書いた記事、”音も楽しむ音楽”の続編です。
あらためて”ファットボーイ・スリム”を簡単に紹介。
ファットボーイ・スリム(本名ノーマン・クック)は、イギリスのクラブDJで自身でも曲を制作するミュージシャン。その作曲技法は、”ブレイク・ビーツ”と呼ばれ、いろいろな曲からその一部をサンプリング(抜き取り)し、新たに組み合わせて曲を作ったり、曲自体を別のジャンルに作り替えたりします。よく、”REMIX”と呼ばれています。その一方でDJとして、多くの”MIX”アルバムも発表しています。(簡単にいうと、MIXは曲と曲をつなぐこと、Remixは曲を作り変えることです。)
今回は、ファットボーイ・スリムのMIXアルバムをいくつか紹介したいと思います。
まず初めに紹介したいMIXアルバムは、「オン・ザ・フロアー・アット・ザ・ブティック」です。
『ON THE FLOOR AT THE BOUTIQUE』MIXED BY FATBOY SLIM
1998年リリース、全19曲、total 66分
1997年にイギリスのブライトンにあるクラブ、”ビッグ・ビート・ブティック”で行われたライブを録音したものです。
私は元々ディスコソングが好きで、いろいろなMIXアルバムを聴いていたのですが、今までに聴いたMIXアルバムの中で一番MIX(曲と曲のつながり)が上手いと思うアルバムでした。初めて聴いた時に、とてもライブ録音と思えず、スタジオで作ったアルバムじゃないのかと耳を疑いました。
私が特に好きなパートは、6曲目の”ザット・グリーン・ジーザス”から8曲目の”マイケル・ジャクソン”(ファットボーイ・スリムの曲)の部分。だんだんグルーヴ(ノリ)が上がっていく感じ好きです。元歌を知らないと、曲と曲がどこでどう繋がったわかりません。
余談ですが、クラブの名前が”ビート・ブティック”って、何かカッコいいですね。(私はブティックと聞くと、”お金持ちのマダムが経営する地味なワンピースを売っている服屋”のイメージがあるのですが、そもそも今の若い人は”ブティック”という言葉を知っているのかと、気になりました。)
続いて紹介する1枚は、「ファラ・アイ!」です。
『Fala ai!』fatboy slim
2006年リリース、全14曲、total72分
ファットボーイ・スリムのブラジルツアーを記念して作り、ブラジルでリリースされたアルバム。
1曲目の”The wiseguys-Cowboy78”のフラメンコ・ギターから始まり、サンバ系などのラテン・ミュージックを中心に構成された、まさにブラジル、まさに南米というようなお祭り感満載の一枚です。
個人的に特に好きなパートは、3曲目の”Viva Columbia”から5曲目の”To The Club”にかけて。”To The Club”は、ファットボーイ・スリムのMIXアルバムでよく使われる曲。「月曜も火曜も水曜も木曜も・・・、クラブへ行く」と歌っている曲です。
かなりオススメの1枚です。
『LateNightTales』 fatboy slim
2007年リリース、全26曲、total75分
「深夜に聞きたい音楽」をテーマにしたMIXアルバム。「ファラ・アイ!」と違って、しっとりとした気分になりたい時にオススメ。BGMにも最適です。
ファットボーイ・スリムは、多彩なジャンルの曲を使うのも特徴です。本アルバムでも、ロック、レゲエ、ソウルなどを幅広い音楽をミックスしています。ジャンルが色々なので飽きずに長く聴けます。
最後に紹介するのは、ファットボーイ・スリムのコレクション。
『the fatboy slim collection』
2015年リリース、CD4枚組
4枚組のアルバムで、CD1からCD3はファットボーイ・スリムがライブなどで、よく使っている、いろいろなアーティストのオリジナル曲を収録、そしてCD4ではそれらの曲をMIXしたアルバムになっています。
ファットボーイ・スリム自身の曲から、ケミカル・ブラザーズ、ゴリラズ、さらにプロディジーやビースティ・ボーイズなど、まさにネタ帳のようなコンピレーションアルバムです。
私のお気に入りはCD3収録されている、ファットボーイ・スリムの”eat sleep rave repeat”。あいかわらずカッコいいサウンドになっています。
*CDが一枚のみの通常版とCD4枚組があります。
こちらは、CD4枚組
ファットボーイ・スリムは、コロナの影響で世界中がロックダウンを行った際に、” Lockdown Mixtape Series”と称して20週間に渡って、Youtubeに約1時間ものMixtapeをアップしていました。興味のある方は、YoutubeのFatboy Slimチャンネルからどうぞ。